★FLMASK裁判傍聴日記★  


【第4回公判傍聴記】(98/3/19)
By. 樋口 陽介(大阪大学法学部4年)
QZU02141@niftyserve.or.jp


「FLマスクリンク事件」
       第(4)回公判 傍聴記

■はじめに
 今回の公判の証人尋問では、FLマス
クによる画像処理の簡単さ(誰にでも
出来る=公然性)が問われた。しかし、
決して忘れてはならないのは、今回の
一連の裁判ではソフトウェアの違法性
は一切問われていないということであ
る。この点については、検察とも早い
段階から合意されている。裁判の争点
はFLマスクのサポートページと、正犯
のアダルトサイトとの相互リンクを
張ったこと、そのお礼にFLマスクの無
償パスワードをプレゼントしたこと、
が正犯の行為を幇助し(助け)たかど
うかということである。それゆえ、本
来は争点の本筋からは外れる。
 ただ、今後、検察側が(ようや
く?)勝ち目が薄いということを自覚
すれば、ソフトウェアの違法性を匂わ
せながら争う、あるいは、違法性自体
を問題にしてくるということもあり得
ないわけではない。そういう点では今
回の公判は重要であった。
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 画像処理ソフト「FLマスク」を開発
した横浜市の会社員K氏が、猥褻図画
公然陳列幇助罪で起訴されている「FL
マスクリンク裁判」の第4回公判が3月
19日、大阪地裁第803号法廷で開かれ
た。今回の目玉は、検察側の証人とし
て会社員を逮捕した大阪府警旭署の捜
査員への尋問。証言により、内偵捜査
や証拠調べの実態が明らかになり、捜
査員は「FLマスクの操作は簡単」など
と証言した。しかし、弁護側反対尋問
(次回公判でも引き続きおこわなわれ
る予定)により、逆に操作に関する知
識ゼロの状態では「FLマスクの操作は
難しい」ということが証言された形に
なり、証言のあやふやさの点が結果的
に強調された印象を残しながら第4回公
判は閉廷した。
 尋問されたのは大阪府警旭署員とし
て会社員の捜査にかかわったT証人。
T証人は、検察側の主尋問に対して
「FLマスクで処理されたマスク部分は
2、30秒で簡単にはずれた」などと証言
したが、外せなかったマスクが結構
あったことも同時に証言。また、予め
設定されたフォーマット通りに画像を
検分していったようで、ヘアのみ露
出、顔のみ露出、画像が暗い、などの
ものは問題無しとしたことも明らかに
した。
 弁護側の反対尋問では、検察側の思
惑、「初心者でも簡単にマスクは外せ
る」というところを追求した。
 証人の受け答えからは、パソコンの
操作に詳しい公安の捜査員からFLマス
クの操作法方を教わったようで、それ
に基づいて証拠調べをしたようだ。そ
れゆえ、FLマスクの操作以外、つま
りパソコンや、Internetに関する知識
はほとんどないようで、「URL」「トッ
プページ」「アドレス」などの言葉の
意味が十分に分かっていないようだっ
た。それから、肝心の調べた証拠画像
に関しても、その画像がプロバイダに
あったものなのか正犯被疑者のパソコ
ンの中にあったのか明瞭さを欠き、
Internetで公開されていた画像と調べ
た証拠画像が同じものかどうかは記憶
に頼った部分があるなど、ズサンな証
拠調べの実態が露呈された。
 非常に長かった第4回公判だったが、
結果的に検察側の「初心者でも簡単に
マスクが外せる」ということを証明す
る思惑と裏腹に、「FLマスクの操作方
法の知識がゼロで、パソコンのことが
まだよく分からない初心者にはマスク
の除去は難しい」ということが明らか
になったようだ。