★FLMASK裁判傍聴日記★  


【第3回公判傍聴記】(98/1/19)By. 樋口 陽介@大阪大学新聞会


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【はじめに】
 「FLマスク裁判」とは、
FLマスクでマスク処理した画像
(猥褻部分は見えなくなっている)を掲載していたアダルトサイトに
E-mailをやり取りし、相互リンクを結んだInternetユーザーが
「公然猥褻物陳列罪」幇助(援助)で起訴されたという裁判である。

 これまで私はInternetと関わってきたかたわら、
この事件を知ってから今までフォローしてきた。
一応法律学専攻ではないものの法学部に籍をおき、
法律学に関しても勉強してきたので、裁判を傍聴し、
それを自分なりにまとめる作業は有益であった。
以下は、97/1/19に行われた3回目の公判の模様を
まとめたものである。

 まず、くどいかも知れないが、
くれぐれも気を付けてもらいたいのは、
【被告人であるK氏はたしかにFLマスクの開発者だが、
裁判ではそのことは一切問題になっていないという点】
である。K氏が問われているのは「相互リンク」などで
正犯二名を援助したということ」である。
「開発」の部分に関しては、
裁判を冷静に見るために完全に忘れて欲しい。
このことは、それらを混同して
「マスク取り外しソフトの開発者起訴される」
などという軽率な記事を掲載した一部マスコミの情報を
批判的に読むための注意でもある。

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【第3回公判の概要】

第3回公判で行われたことは以下の7点。

(1)検察官訴因変更申し立て
(2)弁護人訴因変更に対する意見(然るべく)
(3)弁護人証拠調べ方法に関する意見陳述
(4)弁護人証拠意見(同意、不同意)
(5)弁護人の再求釈明(変更申し立て事実の事実関係)
(6)検察官の証拠提出(同意書面のみ)と証拠調べ(要旨の告知)
(7)弁護人冒頭陳述

 以下【訴因変更の件】【証拠の認否】【弁護側冒頭陳述】
についてみていきたい。

【検察官訴因変更申し立て】

 第3回公判は、昨年12月4日に予定されていたが、
検察側が訴因(争点)を変更、それを受けた弁護団から
「内容がはっきりしないまま冒頭陳述は出来ない」として
延期されたていた。
 訴因(争点)が変更された後の起訴状では、
これまでの「画像データ=猥褻物」から、単純化すれば
「猥褻物=画像データがおさめられたプロバイダのディスク」
というように変えられたのが決定的な変更。
後、各行為の日付などが変更されている。
ただ、「メールをやり取りして相互リンクを張ったから幇助」
という点は変わっていない。
弁護団側からは、何が幇助行為なのか特定し、
また、変更後起訴状のあいまいな日付を特定するといった点で
求釈明(説明を求める)が成されている。
 変更後起訴状でのK氏とK氏が幇助した(助けた)とされる
両正犯A氏、B氏との関係は、
以下にもうすこし詳しくまとめておいた。

《A氏との関係》

 A氏は、97/99/17〜11/7までの間インターネットを利用し、
<男女の性器や性交場面を露骨に撮影した猥褻図画>などに
「FLマスク」によりマスクを付した画像データ153画像分を、
マスクを取り外すための「FLマスク」の利用方法などに関する画像デー
タと共に「ベッコアメ」のサーバ・コンピュータ内の
「アダルトクラブJ-BOX」に送信し、コンピュータの記憶装置である
ディスクアレイ内に記憶・蔵置し、
「アダルトクラブJ-BOX」にアクセスした
不特定多数のInternetユーザーがマスクを外した猥褻図画を
復元閲覧可能な状況を設定した。

 その後、K氏は、
■E-mailをやり取りして「FLマスクサポート」と
「アダルトクラブJ-BOX」との間に相互の情報データを掲載し、
■A氏にFLマスクの無償使用権を与え、
■A氏のページにマスクを付した画像を作成・掲載させ、
■A氏のページにマスクを取り外すためのFLマスクの利用方法に関する
情報データを掲載させ、
■「FLマスクサポート」から「アダルトクラブJ-BOX」に
リンクを張ることによって不特定多数のInternetユーザーが
アダルトクラブJ-BOX」にアクセスしやすくし、A氏の犯行を
容易なものにして幇助した。

《B氏との関係》
 B氏は、96/11/10から97/9/2/6ころまでの間インターネットを利用し、
<男女の性器や性交場面を露骨に撮影した猥褻図画>などに
「FLマスク」によりマスクを付した画像データ18画像分を、
マスクを取り外すための「FLマスク」の利用方法などに関する
画像データと共に「DTI(ドリーム・トレイン・インターネット)」
のサーバ・コンピュータ内の「あまちゅあふぉとぎゃらりー」に送信し、
コンピュータの記憶装置であるディスクアレイ内に記憶・蔵置し、
「あまちゅあふぉとぎゃらりー」にアクセスした
不特定多数のInternetユーザーが
<マスクを外した猥褻図画を復元可能な状況を設定した。

 その後、K氏は、
■E-mailをやり取りして「FLマスクサポート」と
「あまちゃふぉとぎゃらりー」との間に相互の情報データを掲載し、
■FLマスクの無償使用権を与え、
■B氏のページにマスクを付した画像を掲載させ
■B氏のページにマスクを取り外すためのFLマスクの
利用方法に関する情報データを掲載させ、
■K氏のページから「あまちゅあふぉとぎゃらりー」に
リンクを張ることによって不特定多数のInternetユーザーが
「あまちゅあふぉとぎゃらりー」にアクセスしやすくし、
B氏の犯行を容易なものにして幇助した。

【弁護人側の証拠についての意見】
 弁護人側のこの裁判での証拠の扱いについての認識は、
実にわかりやすく冒頭陳述書に網羅されている。
 詳しくは牧野弁護士のホームページにある
冒頭陳述書を参照してほしい。検察側のあいまいで拡張の過ぎた法解釈に対して理路整然と反論している。

■問題になった猥褻物とは?
 まず、弁護人は、この裁判で問題になるのは
<公然陳列された証拠物>であるとし、
<正犯の犯罪事実を裏付けるわいせつ物の存在、その内容の証明>
すなわち、プロバイダのディスクアレイが証拠調べの対象となるとする。
 本来なら、<プロバイダのハードディスクそのものを
法廷に持ち込む必要がある>のだが、それが無理な場合は、
その代わりに、<その内容物の完全なコピーで、ディスクアレイに
代える方法も考えられる>とする。また、<完全な写し>という点で、
K氏、正犯A、正犯Bのハードディスクにあるデータは、
<サーバーのディスクアレイに送信されたか、蔵置されたか、
明らかとはならない>ため、<両者の違いは明確に区分しなければ
ならない。>としている。

■会員制のサイトに掲載されたものは「公然」なのか?
 また、この裁判では、正犯のサイトが会員制になっており、
「公然性」に重大な制限を課すものである上、被告人の関与に関しても、
重大な影響を及ぼすことになるという問題点がある。
弁護団が指摘するところによれば、奇妙なことに、
本件起訴においては、「アダルトクラブJ-BOX」に関して
被告人K氏もアクセスできない会員用非公開画像146点も含めた155画像分を
問題にしながら、「あまちゅあふぉとぎゃらりー」については
サンプル画像18画像のみを問題にしているのだという。
 この検察の首尾一貫性のアイマイさ、ズサンさは
さらに証拠調べの中で、検討され必要があるだろう。

■ホントにFLマスクの処理は「簡単で誰にでも出来る」ものなのか?
 FLマスクというソフトについて弁護団側は最後に問題点を指摘しているが、
くれぐれも気を付けてもらいたいのは、
【確かにK氏はFLマスクの開発者だが、裁判ではそのことは一切問題に
なっていないという点】である。K氏が問われているのは「相互リンク」
などで正犯二名を援助したということ」である。
「開発」の部分に関しては、裁判を冷静に見るために完全に忘れて欲しい。
加えていうならば、これは「マスク取り外しソフトの開発者起訴される」
などといった軽率な記事を掲載している一部マスコミへのメッセージでもある。

■どんなマスクがかけられたものが問題になっているのか?
 証拠で調べる必要のある重要な点は、
「FLマスクのマスク処理設定(どの様にマスクをかけたか)」
であると弁護人側は言う。弁護人冒頭陳述によれば<警察では、
このマスク処理設定が簡明で、読めたものについてはわいせつ物だとして
本件起訴に持ち込んでいる>のだが、
<多少とも高度になると読めないとして、起訴の対象としていない>
という点があるという。

■マスク処理をするのはK氏ではない。
リンクを張っただけのK氏に責任はあるのか?

 しかし、どういうマスク処理をするかは、
マスクソフトをマスク処理に使う者の判断で、
「リンクをしただけ」の被告人K氏(ソフトを開発したことは問題ではないので)
には「どんなマスクをかけたか」を知らない状況で、
正犯とされている者が「警察官がはずせて起訴になった」
マスクをかけたことの行為の責任を取らされることになってしまう。
これでは、リンクを張った被告人の刑事責任ではなく、
「マスクのかけかた」に関して、監視、監督、教育しなかったことに対する
過失責任を問われるということになってしまう。
弁護人側は、<被告人は、こうした「マスク処理設定」については
一切感知していない>とし、<正犯とされる者の独断行為であった>としている。
独断行為なのであればK氏はなにゆえ幇助で起訴されたのかということになる。
 今後の証拠調べの段階でこの点は慎重に調べ、
責任の所在などについて明確にされるべきである。
そして、以前から計画されているように、裁判史上初めて法廷にパソコン
を持ち込まれる可能性は濃厚になってきた。


【弁護人冒頭陳述】

 検察側の「相互リンクを張るためのE-mail、登録しなくても使えるソフトの無償提供
、相互リンク」が違法だとする図式をそのまま当てはめれば、誰もが「自分のサイトと
アダルトサイトを、メールをやり取りして相互リンクし、自分の作った画像処理ソフト
のパスワードをタダであげれば違法」ということになるのだ。これが、どれだけ無理な
解釈なのかはちょっとでもInternetのことを知っていれば明白だろう。

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 弁護側の冒頭陳述は概略化すると以下の諸点について行われている。

1  本件における問題の所在(前提部分)
 (1)正犯とされる二つの事件が犯罪を構成するか否か
  --正犯行為で問われたマスク画像は猥褻なのか?
   猥褻性については、詳しい法律説明と、
    ドイツマルティメディア法(正式名称「情報通信サービスの基本条件の規制に関する法律」) 
    アメリカ合衆国法典「わいせつ物頒布罪」
    ニューヨーク州刑法(NEW YORK STATE PENAL LAW)にも
   言及してある。ちなみに、日本の刑法は明治の制定時からドイツ法に非常に強
   い影響を受けている。
  --猥褻物の「公然陳列」で、なぜ「頒布(広める)」でないのか?
   (公然陳列なら「見て分かる猥褻物」が陳列されていないといけないが、頒布
   なら受領後に加工・修正・現像などが行える点で頒布、所持時点では「見て
   分かる」ものでなくても罪となる)
  --画像でなくハードディスクが猥褻「物」だとしても、ハードディスクに猥褻性
   を感じられるのか?また、ハードディスクはプロバイダ会社においてあるもの
   で「公然」陳列はされていないが。
 (2)K氏の何が幇助行為なのか
  --正犯2名はいずれも単独行為である。
  --やり取りされたE-mailは検察の言うような「共謀」では決してない。
  --猥褻でないと検察がしている「マスク処理画像」に他のサイトへのリンクが合
   わさればなぜ猥褻物になるのか?
  --その場合、マスク画像のページにソフトの使い方を示したホームページの
   URLを記載しただけの場合(URLの記載だけで、ハイパーリンクのタグが
   付されていない場合)とどこが違うのか

2  罪刑法定主義 違反
「罪刑法定主義」:いかなる行為が犯罪になるか、それに対していかなる刑罰が科せら
れるかは、【既にある法律によってのみ定められる】とする考え方。つまり、「法のな
いところに刑罰無し」ということである。これは、刑罰権の恣意的な公使、あるいは乱
用を防ぐための人権保障の表れで、近代自由主義刑法の基本原則である。(編註)

3  マスクソフトの機能と役割
 (1)FLマスクは、「画像処理ソフト」で、検察の言うような
  「マスク付けはずしソフト」ではない。
 (2)FLマスクは、幾多のマスク処理を複雑に組み合わせることによって、
  「一定の範囲の者以外に見えなくするため」の一種の暗号ソフトである。

4  本件における「リンク」の評価について
 (1)無断リンクはどうするのか?
 (2)リンクによって成り立つ検索エンジンも違法か?
 (3)リンクのリンクのリンクのリンク…はどうなるのか?
 (4)現在の法解釈ではリンクを拒否することは出来ないとされており、リンクは一方
  的に行える行為。とすれば、検察の言う「相互リンクは共謀」という図式は成り
  立たない
 (5)猥褻なサイトにリンクを張ることが違法なら、猥褻なQ2ダイヤルの番号を載せ
  た電話帳も違法
 (6)相互リンク依頼のE-mailは儀礼的、形式的なネチケットである。
 (7)リンク先のサイトは更新される可能性があり、それをいちいちチェックするのは
  不可能。従って、リンク先のサイトの内容にまで責任は及ばない。
     ex.ドイツのリンクを巡っての判決(日々更新される可能性のあるリンク先サイト
  の内容にまで責任は問われないという)
※(8)リンクを罰することによるInternetの発展の萎縮効果という弊害。
 (9)日本では、96年9月、広島のあるインターネット・プロバイダの社員が、海外
  のわいせつ画像にリンクを張った会員のホームページを、そのプロバイダのホー
  ムページの中の「アクセス・ランキング」にランクインする形式でリンクを張っ
  ていたところ、わいせつ図画公然陳列の容疑で書類送検され、その後、起訴猶予
  処分とされた事例がある。これは、右のようなリンクを張る行為が可罰的である
  という判断を前提として起訴猶予とされた点に問題があるが、最終的には起訴は
  されず、この点についての裁判所の判断は示されずに終わっている。

5  本件幇助行為について
 本件では幇助行為という行為は存在しない。なぜなら、
 (1)「共謀」があったというが、正犯2名とK氏は何の面識もない、会ったことも電
  話したこともない。ごく普通の行為としてE-mailをやり取りしただけ。
 (2)K氏が正犯とやりとりした行為はInternetで通常行われている行為。
 (3)試用期限が過ぎても制限無く使え、1500円と低額なソフトの無償提供に特別な
  意味はない
 (4)正犯AはすでにK氏のE-mailの前からFLマスクを使っている。
 (5)K氏が正犯Aを指図してマスク画像を記憶蔵置させたり、
     「エフエルマスク」利用方法等に関するデータ掲載させたことはない
 (6)正犯Bについても、FLマスクを使うように指示したこともないし、正犯Aと同
  様リンク、そのお礼としてのソフトの無償提供は幇助ではない。

6  まとめ(以下、牧野氏のサイトから全文引用。元Fileも含めて是非一読を。)

1 インターネットの自律分散性
     わが国インターネットの第一人者といわれる村井純慶応大学教授が指摘するよ
     うに、「インターネットの普及とは、デジタル情報を交換・共有する基盤がで
     きた」ということであり、「相互運用技術の利用」と「スケールの基盤の利
     用」によって情報・知識の分散化と相互利用が可能になったのである。

     そして、これをホームページに関して保障している技術がリンクである。すな
     わち、発信者は自己が持つ情報・知識だけを自己のホームページに公開すると
     ともに、これに関連する情報を発信している他人のホームページをリンクで指
     し示して、受信者の情報探索の便宜を図るのであり、各受信者は、これらのリ
     ンクを使って求める情報・知識を芋蔓式に集約するのである。また、各受信者
     は、異なる発信者の各ホームページに貼られているリンクからたぐりよせた情
     報源を、自己固有の関心に基づいて取捨選択し、それぞれ自分なりのリンク集
     を作ることもできる。

     したがって、リンク集は、書籍で関連文献集を掲載するのと同様、読者(受信
     者)のための便宜を図るものであると同時に、すぐれて発信者自身の表現行為
     でもあるが、そこで紹介した他人の文献の内容を保障するものではないのであ
     る。

     要するに、インターネットは、「自律分散的運用基盤」に立った技術なのであ
     り、リンクはネット上にばらばらに存在する情報・知識を集約して大きな力を
     発揮させる技術である。そして、これによってある問題につき分野を越えた人
     たちが議論できる場が提供される(例えば、インターネットを使った音楽ビジ
     ネスについて論じたページには、音楽業界だけでなく、インターネット技術活
     用の可能性を模索する者、ニュービジネス一般に興味を持つ者、著作権法に関
     心のある者等々、様々な分野の者がアクセスし、各自のホームページからリン
     クを貼ることになる)のであり、これこそがインターネットの最大の効用の一
     つだといわれている。

2 本件訴訟の意義・本質
     リンクはインターネット上に自律的に分散する他人の関連情報のありかを指し
     示すにすぎないから、リンクを貼った発信者としては、リンク先の情報内容に
     ついて責任を負うことなど到底できない。もし、それにもかかわらず責任を負
     わされるならば、こわくてリンクを貼れず、インターネットの拠って立つ存立
     基盤が根底から覆される結果、人類はこの画期的な道具を失うことになる。

     そのため、インターネット規制に関する世界各国の司法判断には世界中の広範
     な立場の人々が我が事として関心を抱いており、その内容は内外のマスコミが
     大きく採り上げること必定であるし、また、インターネットを介して世界中を
     駆けめぐることになる。殊に日本のような主要先進国の司法判断が世界に与え
     る影響は甚大であり、万が一にもインターネットの本質的機能を損ない、人類
     文化の発展を阻害するような判断が示されるならば、全世界に及ぼす害毒は測
     りしれず、必ずや歴史の審判によって手厳しい批判が下されることになるだろ
     う。

     すでに我が国の多数の新聞社がインターネット上の各サイトにおいて本件事件
     を大きく取り扱い、報道していることが認められる。

     正に本件訴訟によってわが国司法界の力量が問われているのであり、地域を越
     えて多数の弁護士が弁護団を結成し手弁当でこれに参加しているのも、その故
     にこそである。裁判所におかれても、本件訴訟の持つ意義・本質を理解され、
     国際的・歴史的批判に耐えうる審理・審判をされるよう希望する次第である。
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【感想】

 今回の訴訟で、検察側の主張と弁護側の主張(冒頭陳述)が出そろったことになり、
今後は、証拠の吟味の作業に移ることになる(次回予定の警察官の取り調べなど)。
 第一回公判からフォローしてきて、改めて思うのは、どちらが筋が通っているかとい
うことが明白すぎると言うことである。確かに、FLマスクというソフトは結果的にア
ダルトサイトを助長することになり、取り締まりたいという意識を持たせるに十分なほ
ど普及した。しかし、それはあくまでユーザーの側の問題であったのではないか。検察
の側も、本当は摘発したかったのは「FLマスク」というソフトで、それが直接は無理
なので、その開発者を、何やら色々と理屈を考えて、相互リンク、E-mailのやり取り、
ソフトの無償提供などで幇助で起訴出来ないかと考えたのではないだろうかと感じる節
が多々ある。それゆえ、これほどややこしい訴因になり、それを変更までするに至った
のではないだろうか。
 私は、今でもFLマスクなどの画像処理ソフトは「見たくない人に見せないための自
主規制」のソフトだと思うし、それは今日本でも行われようとしている規制(一つ一つ
のサイトをチェックして危険度をつけていき、ブラウザレベルで設定しておけば見るこ
とが出来なくするもの)よりもトータル・コストの安い規制だと思う。勿論ほかにも、
可能ならば、html書類の先頭などに一つタグをつけることによって制作者が「自分で規
制する」方法でも構わない。規制を制作者自らが行うのか、政府が規制をかけるのか(
それは時に恣意的になる可能性すらある)は非常に大きな差である。

---次回公判3/19に続く


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□ 次回第4回公判 3月19日午後1時15分から 大阪地裁にて    ■
■ 警察官取り調べ/検察官の訴因変更に関する求釈明への回答などが予定 □
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